恋のエチュード / フランソワ・トリュフォー (13)

+概要+
1971年公開のフランス映画。
監督:フランソワ・トリュフォー
製作:マルセル・ベルベール
原作:アンリ=ピエール・ロシェ
   『二人の英国女性と大陸』
脚本:フランソワ・トリュフォー
   ジャン・グリュオー
出演:ジャン=ピエール・レオー
   キカ・マーカム
   ステーシー・テンデター
撮影:ネストール・アルメンドロス
編集:ヤン・デデ
音楽:ジョルジュ・ドルリュー

『突然炎のごとく』の原作者、アンリ=ピエール・ロシェの作品を映画化。ロシェは生涯2作の小説しか発表しなかったが、その両作がトリュフォーによって映画化されたことになる。

+あらすじ+
フランスで出会ったアンを訪ね、イギリスにやって来たクロード。アンには妹のミュリエルがおり、3人は親交を深める。ある時、2人の間で揺れていたクロードはミュリエルに恋をしたことに気付く。結婚を申し込むが、クロードの母は反対。1年後に再会した時まで互いへの想いが続いていれば結婚を許可する、と条件を突きつけられる。1年後、クロードは彼女への愛を忘れ、一方ミュリエルの愛は激しいものとなっていた。

+感想+
OPは書物を愛し、ロシェの作品を愛したトリュフォーらしく本のカバーが様々な形で映されていく。(ロイヤル・テネンバウムズの元ネタ?)

これまでアントワーヌ・ドワネルとして、落ち着きのない青年を演じてきたジャン=ピエール・レオーは本作では教養ある良家の青年を演じている。その静かな愛を描く様子に素晴らしい効果をもたらしているのが、ネストール・アルメンドロスの映し出す自然の美しさ。広大でそよ風に包まれたように優しく純粋で、それでいてどこか寂しげな草原と青い海。一方でその外見とは裏腹に激しい愛が渦巻いている様子が淡々と描かれる様子が美しい。

ロシェ1作目の『突然〜』のジャンヌ・モローと同様に、クロードはうなじに惹かれている。トリュフォーにとって、女性に惹かれるポイントは第一に脚、そして次にうなじだったのだろう。 これまでの描かれ方から見ると、脚はある意味性的な愛を持ち、うなじは純真な恋を表しているように思う。

「何故触るの?」「あなたがこの世に生きているから」
「この私はあなたの肌 このインクは私の血です」

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