私のように美しい娘 / フランソワ・トリュフォー (14)

+概要+
1972年公開のフランス映画。
監督:フランソワ・トリュフォー
製作:マルセル・ベルベール
原作:ヘンリー・ファレル
脚本:フランソワ・トリュフォー
出演:ベルナデット・ラフォン
   アンドレ・デュソリエ
撮影:ピエール=ウイリアム・グレン
編集:ヤン・デデ
音楽:ジョルジュ・ドルリュー

ヘンリー・ファレルの原作を映画化。トリュフォーのデビュー作である短編映画『あこがれ』に主演したベルナデット・ラフォンを再度主演に迎えている。

+あらすじ+
書店へ社会学の論文を探しに来た学生。しかし発売予定となっていた論文はまだ未発表であった。論文はスタニラス・プレヴィンという若い社会学者が女性犯罪者の心理を読み解くというもの。そのために彼は女性囚のカミーユ・ブリスに取材をする。彼女は男を塔から突き落とし殺害した容疑で収監されていた。幾人もの男たちを翻弄するカミーユとの面会を繰り返すうち、教授は彼女に惹かれ無実を証明しようと奔走する。

+感想+
冒頭の音楽から明るく陽気な雰囲気。これまでのトリュフォー映画は、陽気な雰囲気で始まりつつも、どこか陰鬱な印象が漂う作品が多かったが本作は珍しく終始快活に終わるコメディに仕上がっている。

肉体的な欲望に抗えない男たちを誘惑し利用していくカミーユの図々しいほどの逞しさと、一方でミュージシャンの男や弁護士の男に良いようにされてしまう浅はかさ、それぞれの関係に必死な様子が混在していて憎めない人物に仕上がっている。

セックスをする時のレーシングカーのレコード、夫のお土産の胸がぱかっと開く女性の人形などの遊び心が盛り込まれていたり、害虫駆除の男という少し映画には風変わりな男の存在が映画の活きを良くしている。それから、お決まりのオスカー・ウェルナーの肖像画がまた飾られていた。

「映画をリアルに撮るには、いい俳優と本当らしさで十分です」(トリュフォーインタビューより)

コメント

人気の投稿